これだけは知っておきたい!インターネット入門講座
解説
 

インターネット上ではさまざまなサービスが実現されています。
電子メールホームページはその代表的なものですが、他にもIP電話チャットブログ動画配信、そしてソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などがあります。これらは、インターネットの通信速度の向上や、使用しているパソコンのハードウェアやソフトウェアの高性能化とともに、インターネットをより便利なものにしようと考える多くの開発者の努力がもたらしていると言ってよいでしょう。
この節では、いくつかの具体的なサービスを取り上げて、その概要について説明します。

 

1.電子メール

Outlook ExpressやThunderbirdなどの電子メールソフトとメールサーバを使って、文字や画像などの添付ファイルを送受信する仕組み、または送受信されるデータを「電子メール」といいます。最近では単に「メール」と呼ばれることも多いようです。

米IDCの「世界の電子メール利用状況に関する調査結果」によると、2007年に世界で送信される電子メール数は1日あたり約970億通で、うち400億通以上をスパムメール(迷惑メール)が占めると予測しています。特に日本では、パソコン上での電子メールの利用の他に、携帯電話を使った電子メールのやり取りが盛んで、いまや欠かすことのできない重要なコミュニケーション手段のひとつとなっています。

 

2.ホームページ

Internet ExplorerやFirefox、safariなどの「ブラウザ」と呼ばれるホームページ閲覧用ソフトを使って、Webサーバに格納されているデータを表示する仕組み、または表示されるページが「ホームページ」です。「ホームページ」とは、本来、ブラウザを起動した時に表示されるページを指しますが、現在ではWebサーバ上にあるページの総称として「ホームページ」という言葉が使われています。このホームページの仕組みをベースとして実現しているサービスをWebサービスと呼ぶことがあります。また、1冊の本のようにまとめられたホームページの集まりをWebサイト、単にサイトとも呼びます。

最近では、ホームページの作成手法にCMS(Contents Management System)という機能が登場し、ブログに代表されるように、作成のための専用ソフトやオリジナルファイルがなくても、どこからでもホームページを簡単に作り公開できるようになったため、多くの人がホームページを公開するようになりました。

日本でもっともアクセス数の多いホームページはYahoo!JAPANです。2007年3月の時点で、1日あたり12億ページ以上のアクセスがあります。

 

3.検索エンジン

1990年代から公開されたホームページ数は400億ページ以上といわれており、その中から自分の欲しい情報がどこにあるのか探すのは容易ではありません。そこで登場したのが「検索サービス」です。
かつては、カテゴリ検索用のホームページに、業種や目的などに応じて分類された「カテゴリ」へホームページアドレスを登録していました。利用者はカテゴリを大分類、小分類、地域などとたどり目的のホームページのアドレスを探します。現在でも、Yahoo!JAPANにはカテゴリ検索があります。
しかし、Webサイトが多くなるにつれ、カテゴリ検索では検索に時間がかかったり、登録されていないWebサイトは見つけることができないという問題がでてくるようになりました。そこで、1990年代の後半から検索エンジンといわれるサービスが登場します。そして、2000年、検索エンジンの存在を決定付けたのがGoogleでした。

現在、世界で最も利用されている検索エンジンはGoogleといわれていますが、日本ではYahoo! JAPANが最も利用されている検索エンジンとなっています。

 

4.ネットショッピング

ネットショッピングは、インターネット上で本や家電、食品などの買い物を実現するWebサービスです。消費者は、販売者の提供するホームページ上で商品を選び注文します。支払いはクレジットカードやコンビニ払い、着払いなどが用意されており、宅配便業者が商品を消費者へ届けるケースが多いようです。また、オークションや宿泊予約なども実現されています。

 

5.ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)

会員制のホームページ、またはその仕組みのことで、一般のホームページが情報提供側からの一方通行的な情報提供形態であるのに対し、SNSでは双方向コミュニケーションのカラーが強いことが特徴です。そのためソーシャル=社会的なネットワーキングサービスと呼ばれています。

2007年3月時点で800万人以上の会員数を有するmixi(ミクシー)が日本最大のSNSです。世界規模ではMySpaceが最も大きく、2007年1月時点で会員数が1億4000万人を超えたといわれています。

 

6.動画配信サービス

ADSLや光ファイバーによるブロードバンドインターネット接続が一般化するにつれて、高速接続を生かすサービスが登場し始めます。そのひとつが動画配信サービスです。
以前からReal形式やWindows Media形式での動画配信はありましたが、パソコン側にそれらを再生するための専用のソフトウェアが必要だったため、利用者は限られていました。しかし、Adobe社のFlashという技術により、ブラウザにプラグインという形で組み込むことが可能になり、利用者も爆発的に増えました。そして2005年、YouTubeという動画配信サイトが立ち上がります。

YouTubeの特徴は、一般の利用者自らが動画をYouTubeのサーバ上へアップし、Flashにより全世界へ動画を配信できるというもので、2006年にその地位を確実なものにしました。

 

7.IP電話

IP電話は、VoIPという技術を使ってインターネット上に接続された端末同士で電話ができるサービスです。当初はインターネット上で完結するサービスでしたが、現在では、端末として一般の加入電話を利用してIP電話を実現するIP電話サービスも登場しています。

さらに、パソコン上で利用する「世界中のどこの人とも無料で電話ができる」IP電話ソフトも続々登場していて、中でもSkypeは高品質な音声を売りにした無料のIP電話ソフトで、有料のオプションサービスを利用することで、一般電話への発信や、一般電話からの着信も可能です。さらに、Skypeはパソコンのような大掛かりなハードウェアがなくても動作するため、携帯電話と同じ大きさの装置として実装が可能で、スマートフォン上のソフトウェアとして利用され始めています。

 

8.地図サービス

カーナビゲーションのように、ブラウザの画面に指定した場所の地図が表示できるサービスです。ただし、通常、パソコンにはGPS機能がありませんので、現在位置を表示させることはできません。しかし、学校やお店などの名称や住所、電話番号などを指定することで、簡単にその周辺地図を表示させることができます。

特に2004年公開されたGoogleMapsは地図情報だけでなく、衛星写真を使うことでリアリティーを実現しています。また、このときAjaxと呼ばれる技術を採用することで、それまでの地図サービスにはなかったすぐれた操作性も合わせて実現しました。